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2010年代海外SF傑作選

火炎病  ピーター・トライアス
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無いはずの炎がずっと見えてしまう火炎病。 兄が火炎病に罹患してしまった主人公は、ARで火炎病の人が見ている世界を再現しようとする。 意外な展開とはいえ、読後感はわりと普通だった。

乾坤と亜力 郝景芳
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子供から学ぼうとする高知能AIの話。友情に心温まる。 エモい系の話ってエモいしか言えねえ…

内臓感覚 ピーター・ワッツ
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Googleのロゴを見ると怒りが抑えられなくなる男の話。 いつものワッツらしくめちゃくちゃ皮肉が効いている。好き。

OPEN チャールズ・ユウ
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家に帰ると部屋に"door"が出現している話。SFというよりは幻想小説。 なんともいえない感傷的な話だった。 チャールズ・ユウって経歴もケン・リュウに似てるけど作風もちょっと似てるかもしれない。 どっちも文学寄りの印象。

” ”  チャイナ・ミエヴィル
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<無>を構成要素とする獣、" “について論じる異常論文SF。 哲学チックな屁理屈をこねくり回していて面白い。 <無>、<虚無>、<不在>、<虚空>…と出てくるが違いがわからなくて笑う。 なんとなく円城塔に近いものを感じる。 これが収録された架空生物アンソロジー、めちゃくちゃ面白そう。

題名のせいでインターネットでの検索は至難である。

総論
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テッド・チャン「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」とケン・リュウ「良い狩りを」は既読なので略。どちらも傑作。

今回初読の上記作品はたしかに面白かったが、傑作かと言われるとうーん…?って感じだった。正直ね。