年末の反動からか、今月はあまり小説を読めなかった。今年は一作一作にちゃんと向き合おうと意気込んだ結果、感想を書くハードルが上がりすぎて全く書けなかった。ので諦めて思いつくまま適当に書こうと思う。ネタバレ注意。
小説 #
スノウ・クラッシュ|ニール・スティーヴンスン #
- 序盤のジャーゴン並べ立てて世界観を説明しつつピザを配達するくだりで脳を焼かれた。サイバーパンク最高!
- 普通はメタバース世界の方で好き放題バトルするところ、現実世界でもバトルするので今どちらの世界なのかわからなくなる。主人公のヒロは最強の剣士のため…(そしてスーパーハッカーでもある。古来よりなろう小説は人気)
- レイヴンの設定が面白すぎる。そりゃサイドカーに水爆乗せてたら誰も逆らえないだろ。史上最凶(狂)の敵。
- 中盤から急に壮大な言語SFになっていい意味で予想を裏切られた。そういう小説だったのか…
- 世界観が好きすぎてじっくり味わいながら読んでたが、終盤は一気読み。ヒロとレイヴンの高速バイクバトルはアツすぎた。
- メタバースの始祖という宣伝文句は確かにそうなんだけど、それ以上に言及するところがありすぎ。
- 世界を創造し、ハックするなろう小説なので数々の起業家に影響を与えたのも納得。
- 旧文庫版のポップな表紙が好き。Blueskyで表紙イラストが鶴巻和哉だと教えてもらってびっくりした。今の表紙は無駄にカッコ良すぎる。中身はB級感あふれるサイバーパンクなのに。
無限病院|韓松 #
- 行きすぎた医療社会。病院こわすぎる…
- 不条理小説はドグラ・マグラや安部公房でかなり好きなんだけど、無限病院はなんか乗れなかった。風刺ギャグに寄りすぎてるからかも。
- 各小節にわかりやすいタイトルがついてるのは読みやすくてありがたい。
- 三部作らしいがこの先どうなるんだろ…かなり気になる。
なめらかな世界と、その敵|伴名練 #
- 再読。最初の登校シーンの超絶技巧は何度読んでも唸らされる。
- ラストも圧巻。エモい情景を描くのがうますぎる。
- ただ、どうしても設定が気になってしまう。並行世界を乗り移れる世界における意識や自己同一性について考え込んでしまっていまいち入り込めなかった。
- エモいからまあいいか。傑作なのは間違いない。
映画 #
パプリカ #
- ストーリーが難解で感想が難しい。刑事が過去を克服する物語が良かった。
マルコヴィッチの穴 #
- マルコヴィッチの穴にマルコヴィッチ自身が入ったら…?をやってくれて大歓喜。
- 登場人物みんな自分本位でどこか狂っている。イイね!
- 主人公の最後は可哀想だけどまあ自業自得。一番可哀想なのは間違いなくマルコヴィッチ。
- みんなマルコヴィッチさんに謝ったほうがいい。
- 不条理コメディSFの傑作。観て良かった!
ファイト・クラブ #
- 上映会で観た。観るのはこれで3回目。
- 自分以外の参加者はみんな、原作小説を読んでいるが映画は初見の人たちで新鮮だった。
- エンタメとしては映画の方が完成度高いと思う。小説は思想が強くて良き。それぞれの良さがある。
- 何回見ても面白い最高の映画。
機動戦士Gundam GQuuuuuuX #
- 何も知らない状態で観たので序盤はめちゃくちゃ動揺した。忘れられない良い体験ができた。
- ストーリー・音楽・アクション・演出すべて良かった。すごい。
- 2回見て豪華版パンフレットも買った。
私にふさわしいホテル #
- のんがとにかく輝いていた。それだけで満足。
- 昭和の文豪コメディ。ターゲットがけっこう上の世代っぽくてそこまで笑えなかった(劇場にいた年配の方は爆笑していた)
- 締切間近で高級ホテルに缶詰にされていたり、書評で大御所に酷評されたり、そういった文化はもうすっかり失われてるよなあ。万年筆と原稿用紙で執筆してる小説家ってまだ存在するんだろうか。
アニメ #
電脳コイル #
- メガばあの高速タイピングで腹筋が崩壊した。あんな老人になりたい。
- 全体的に話が重い&ホラーすぎてトラウマものだし、小学生には話が難しすぎて理解できないだろ…
- 12話のヒゲでシヴィライゼーションする回は傑作。みんな大好き文明シミュレーションSF。
- ラスト3話はずっと泣いていた。デンスケを見るだけで涙腺が緩む。
- 最後のヤサコとイサコの電話も良すぎる。戦友的な終わり方だったけど、有識者からすると電脳コイルは百合らしい。ですよね。
- 電脳コイルに性癖ぶっ壊された人、5000万人くらいいそう。これがNHK教育テレビで… 幼少期にリアルタイムで見てたらあぶなかった
- 電脳コイル企画書なるものが出版されていることをBlueskyで教えてもらう。当然買いました。