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都市伝説解体センターの感想

ネタバレ感想。

発売前からやたらと周囲で話題になっていたので、なんとなく流行りに乗って一週間かけてクリア。

良かった点
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きれいなドット絵がいい雰囲気を出している。各章の終わりに流れる音楽も世界観にあっていた。

キャラクターが魅力的。ちなみにジャスミン推しです。

作中のSNSがかなりリアル。忠実すぎて気分が悪くなってしまうレベル。某twitterのああいうところが嫌になってblueskyに逃げてきた身としてはけっこうきつかったけど。

気になった点
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ストーリーが一本道でゲーム性をほとんど感じなかった。 ボタンを連打するだけで整理された手がかりが自動的に手帳に追加されていくので、適当に連打して話がわからなくなったら手帳で確認する作業ゲームになってしまった。

推理パートは集めた情報の確認レベルがほとんどで簡単だし、選択肢を間違えてもペナルティがないのも緊張感がなくてだれてしまった。あまりにも親切設計すぎる。

1〜5話が推理も真相もあまり面白くない。どの章も最初は面白そうではあるんだけど不完全燃焼で終わる。ただただパパ活の嫌な部分を見せられて終わる一話とか。

怪奇現象を特定してそれを解体する、という名目だけど、都市伝説特定は勝手に主張してるだけで必然性を感じられない。結局のところ都市伝説はただの人間の行為であるというスタンスのゲームだったわけだけど、それならばわざわざ都市伝説に当てはめる必要なんてないのでは…センター長?

話としては京極夏彦の百鬼夜行シリーズも似たような話のはずなんだけど、「この世には不思議なことなど何もない」という主人公のスタンスが一貫しているところに差を感じるのかもしれない。オカルトがあるのかないのか、センター長の中途半端なスタンスが物語を微妙にしていると感じた。

というか最終章までやると都市伝説の特定と解体が完全に自作自演ということが判明するわけで、本当に何がしたかったの???となった。

最終章について
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今までの話が実は全部繋がっていて大ネタに…となるのは割とありがちなパターンとはいえ盛り上がった。 が、オチに関してはかなり無理があるというか、ただイマジナリーネタをやりたかっただけなんじゃないかと疑ってしまう。

何しろそれをする目的や必然性が全くわからない。どんでん返しは納得できる論理があるから面白さを感じるのであって、ただプレイヤーを驚かせるための仕掛けとして提示されると醒めてしまう。1〜5話まであまり面白くないなあと思いながら惰性で進めていた結果が突拍子もないどんでん返しで、違う意味でびっくりした。

全体を通して見たとき、「オカルトミステリーの皮を被った社会風刺もの」と言えると思うが、結局何が言いたかったのか、伝えたいメッセージがよくわからなかった。「ある事ない事SNSで好き放題言ってるお前ら一般人いい加減にしろ」はなんか手垢がつきまくってるしな…

総評・余談
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このゲームでSNS調査をすると絶賛されているようで、自分の感覚は世間とずれてるんだなあということがわかった。細かいことを考えすぎなのかもしれない。

余談だけど本作のSNS調査がリアルすぎて嫌な気持ちになったのもあって、試しにプレイ中の一週間はSNSを見るのをやめてみた。インターネットをやめよう。