メインコンテンツへスキップ

最近の読書について

去年あたりから何故かミステリが読めなくなり、文学だったり難しめのSFばかり読んでいたのだけど、最近急にミステリが読めるようになった。

今はミステリ・SFを中心としたエンタメ作品をを読んでいくモチベーションがかなり高い。

その原因はいろいろあるけど、最大のきっかけは「自分は読書に何を求めているのか?」について改めて考える機会があったこと。

結論としては、自分にとっての読書はおもしろいかどうか?であって、それ以上でもそれ以下でもない、ということを再確認するに至った。原点回帰。

去年は心機一転、読書に面白い以上の意味を求めていたらしい。新しいジャンルに挑戦し、新しい感性を獲得しよう、みたいな真面目な考えがあったんだと思う。

それはそれで意味があるとは思うけど、積み重なって息苦しい読書になっていたのが、今年の上半期に小説が読めなくなっていた最大の原因だったと今ならわかる。

小説を通して自分が抱えている悩みに対する何らかの回答を得ようとか、思想を深めようとか、そういった人生に役立てるようなことは求めていない。むしろ全く役立ってほしくない、という願望がある。

巷では「小説を読むと人生が豊かになる!」みたいなことが説かれていたりするけれど、自分からすると、役に立たないからこそ面白いんじゃねえか!という思いがある。

心の奥底には犀川創平の「役に立たないものの方が楽しい」というセリフがずっと刻まれている。わざわざ小説を読んでいる理由は、「役に立たないものほど楽しい、そして小説を読むという行為は究極に無駄だから」。最高に無駄であるからこそ得られる最高の愉悦。それが自分にとっての読書だ。

自分の場合、理系かつミステリーが読書の原体験であることが起因している気がする。まさかそんなことが?とびっくりする発想や独特の視点が好きだ。そういう好奇心を満たすのが最高に楽しい。

息苦しい読書から解放され、純粋に面白い作品を楽しめるようになったのは本当に嬉しい。これからも意味のない読書を楽しんでいきたい。