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雲取山

雲取山に行ってきた。瑞牆山に続いて2回目のテント泊登山。 前回は登山口から一時間ほどでテント場に辿り着けたので楽だったが、今回はテント場が山頂付近なので5時間登る必要がある。日帰りする人もいるらしいが10時間かかるので健脚でないと厳しいと言われている。

ということで少し心配だったが、雲取山はなだらかな坂道が延々と続くので危険な場所はほとんどないという口コミを見て大丈夫と判断。テント泊できる初心者向けの山としてお勧めされている記事も見かけたし。

ルート
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今回のルートは鴨沢登山口から七ツ石山を経由して五十人平野営場へ、そこでテントを張り、雲取山山頂に向かうルート。一泊して帰りは三条の湯ルートで帰る。

ルート

登山開始
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東京から奥多摩駅まで電車、そこからバスに揺られて鴨沢登山口に到着(9:00)。 東京都最高峰だからなのか、けっこう人が多かった。登山開始。 ひたすらなだらかな斜面が続く。

1時間ほど歩いたところでトレイルランニングしている集団に追い抜かれる。と言っても早歩き程度だったのでなんとなくしばらく食らいついてみた。さすがに10kgの荷物を背負っているので諦める。少し無理した結果、股関節に痛みを感じることに。登山で無理をするのは本当に良くない。

登るスピードはかなり落ちたがそれでも通常の登山者よりは早いらしく、他の登山者に追い抜かれることはなかった。

七ツ石小屋・七ツ石山
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しばらくして七ツ石小屋に到着。少し休憩。ここでもテントは貼れるらしい。 小屋泊で4000円って安いな。

七ツ石小屋 七ツ石山

水場で水分を補給して登山再開。 七ツ石小屋からは割とすぐ七ツ石山山頂に到着。

ここから少し降って、視界がひらけた稜線歩きになる。道もなだらかで歩きやすい。

五十人平野営場
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13時頃、テント場に到着(写真撮り忘れた) 今年の5月に完成したばかりらしく、トイレなどの設備が綺麗。 ただ、水場がないのと電波が入らないのはネック。

管理人はいないらしく、受付票だけ記入してテントを張る。もう3回目なので慣れたもの。デイバックに必要最小限のものだけ詰めて山頂に向かう。

テント場を出てすぐにおじさんに「その服装で登るの?本当に?」と話しかけられる。どうも山頂はかなり風が強く、小雨も降っているので凍える寒さらしい。

想像力が足りてなかった… 感謝を伝えながらテントに戻ってダウンジャケットを着て再出発。

雲取山山頂
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山頂 東京都最高峰、登頂!ただし景色は...

ちなみに雲取山は鬼滅の刃の竈門炭治郎の実家らしい。

雲取山荘
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桃太郎岩

雲取山山頂からそのまま先へ下山すると雲取山荘へ。 ビールを一本買って飲む。山荘の人に「10本くらい買って行きなよ」とからかわれる。すごく立派な山荘で、いつかまた来た時は泊まってみたいと思う。

テント泊
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16時頃、もう一度山頂を経由して五十人平野営場へ戻る。 外はずっと小雨が降っているのと、さすがに疲れていたので寝ることに。

起きると19:00。あたりはもう暗い。そして雨は止んでない…予報だと午前中だけ雨予報でそこからはずっと曇り予報だったはずだが、このまま朝まで雨がやむことはなかった…

どうも寒すぎることに気づく。ちゃんと3シーズン用の寝袋とダウンジャケットを羽織ってるのになんか寒い。標高2000mの秋の山なのに加えて、外は雨、地面からの底冷えが響いたか。

19時でこんなに寒いのなら、深夜の冷え込みに耐えられないのでは…?と思い焦る。 もって来た服すべてを着込む(レインウェアも)。少しマシになった。

お腹も空いて来たのでレトルトのチキンライスを食べることに。ただ、外は雨で寒すぎる。ということでテント内でガスバーナーを使用して水を沸かした。よくないことだとはわかっていたが、少しならいいかな…と。テント内の空気も温まるし。

山頂 ただ、後で調べると一酸化炭素中毒で死に至るかなり危険な行為だった。ていうかその場で気づくべきだろ普通... このままつけておけばずっとあったかいじゃん!と一瞬考えていた。火事になりそうだからすぐ消したが。

こういう危険行為にしろ、気温にしろ、テント場に電波がないのでその場で調べようがなかった。インターネットがないと無力…

翌日、再登頂
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7時に起床。熟睡できず、御来光を見る精神的余裕はなかった。がなんとか寒さは大丈夫だった。 テントを撤収し、もう一度雲取山へ登頂。晴れていて景色が良かった。 山頂

山頂 富士山が見える。

本来のルートだとここから左回りに三条の湯を経由して帰るのだが、その道を進む登山者が他にいなさすぎたのと、熟睡できなかったために何かあった時に不安だったので、 登って来た道を引き返して下山することに。

この判断ができたのは正解だったと思う。このルートで滑落・遭難してたら本当に危なかった。後で知ったが、今は一部崩落していて危ないらしい。

滑落
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来た道をそのまま戻り歩くこと数時間、七ツ石山も再登頂。七ツ石小屋まではもうすぐ。

小屋についたらジュース買ってカップ麺でも食べよ〜とか考えながら歩いてたら、細い巻き道で突然バランスを崩してしまった。10kgの荷物を背負っているため体勢を持ち直せず、そのまま山の斜面に思いっきり滑落。

横ローリングで斜面を転がりながら「止まらね〜〜」「これ死ぬやつ…?」と思ってたが、5, 6回転くらいでザックがストッパーになって運良く止まってくれた。おそらく10mくらい滑落したと思われる。そのまま止まらず木にぶつかったりしたら死んでいた…

滑落中にメガネは吹っ飛んでいった。さすがに拾うのは諦め。ポケットに入れていたスマホはそのままだったのでよかった。

スマホとメガネを無くして怪我でもして登山道に戻れなかった可能性を考えると…怖すぎる。本当に運が良かったとしか…

介助、下山
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ほぼ無傷だったのでそのまま斜面を登り(これも結構大変だった)、七ツ石小屋へ。 小屋番の方に事情を説明するとすぐに応急処置をしてくれた。自分以外にも同じところで滑落してる人が最近結構いるらしいと聞かされた。

さらに、小屋に泊まっていてこれから下山する集団の方がいたので混ぜてもらうことに。前後に挟んでもらい、安全に下山することができた。本当に感謝してもしきれない…

まとめ
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人に助けられたばかりで本当に反省点の多い山行だった。山は実力以上のことをするとちゃんと死にかける。

  • いきなり10kgの重い荷物を担いで1500mも登って足腰の負担が大きすぎた
  • 雨のち曇りの天気予報で決行してしまった
  • 防寒具が不十分で快適に寝れなかった
  • ガスバーナーで一酸化炭素中毒の危険があった
  • よく寝れずにとれなかった疲労と重い荷物でバランスを崩して滑落してしまった

と列挙するとキリがないが、全部繋がって滑落に至ったんだなあと思う。

SNSで死にかけたことを呟いてしまったことも反省。無駄に心配をかけてしまった。

そろそろ冬山シーズンが始まってしまうし、しばらく登山は控えようと思う。今の自分には山に登る資格がない。

来年の春にまた日帰り低山からステップアップしていこうかな。