洞窟の中で目覚めた主人公。洞窟の入り口で正面から見た景色は空、下は絶壁という不可思議な世界。どうも、この世界では東に向かって重力が働いているらしい。
イーガン流の異世界転生もの。ただし主人公が(いつも通り)超賢いため、考察と実験で物理法則の矛盾に気づいてしまう。やっぱりイーガンって最高だよな。
いろいろあって、主人公たちはNPCとしての存在であり、世界は三文小説を元にしたゲーム世界であると示唆される。
そこから世界の物理法則の矛盾がどう引き起こされているのか、もし物理エンジンでシミュレーションされた世界だとしたとき、引き起こされた物理的矛盾がどう処理されるのかを追求していくのがまた…イーガンらしくて良い…
思考実験って感じでワクワクする。これぞSFの醍醐味。この短編に関してはかなり皮肉が効いているような気もするが。
訳者あとがきによると続編があるらしい。はやく翻訳してください。