読んだのが昔すぎて、そういえば原作ってこんなんだったなーと思い出しながら観た。意外に原作にかなり忠実だったと思う。 安部公房の脚フェチ・変態なところも表現しててリスペクトを感じてよかった。
最大のポイントはやっぱり箱男のアクション。町を全力疾走したり、ワッペン乞食に襲われたり、段ボール箱かぶった人間が動くだけでこんなにシュールで面白いんだーって感動した。 特に箱男vs贋箱男の殴り合うシーンは爆笑しながら観てた。
原作の見る-見られるの非対称性や匿名性、世界の"内"と"外"みたいな難しい話もいい感じに実写化できてたと思う。 とはいえ最後の「箱男はあなたです(ドーン!)」はさすがに野暮すぎというか、そこまで言っちゃうんだ…って興ざめした。
そこだけ惜しいけど全体的には楽しめたし、何より令和になって安部公房の箱男が実写化されたという事実に感謝したい。