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『コード・ブッダ』感想

ホウ・然

while(1) {
  printf("ナム・アミダブツ");
}

シン・鸞 「whileは無用」

プログラミング×仏教パロディSF。 主にプログラミングのジョークが随所にちりばめられていてゲラゲラ笑った。 とはいえ、ツイッターにこういうネタを投稿してるITエンジニア大量にいるよなーと思ったのも事実。 柞刈湯葉もこういうツイッターネタみたいな話よく書くよね。理系教養ジョークというか。

信仰がテーマなのはムーンシャインに収録されてた『遍歴』もそうだったけど、最近はこういう路線なんだ…って感じた。 ムーンシャインは『ローラのオリジナル』もだけど最近はいろいろ模索してるんだなーと。迷走?といってもいいのかも。そこも含めて楽しみではある。

物理やプログラミングの概念を小説に落とし込んでジョークにするのは昔から変わってないけど、パロディしながらその概念を説明するだけに終始していて、そこからの発展が足りない気がした。 今回で言うとマクスウェルの悪魔とかベルの不等式とか。元ネタはわかるし面白いんだけど、全体とのつながりがよくわからなくて、だから?と思ってしまった。 自分の読解力が足りてないだけという説もある。 (追記:わたしと教授は量子もつれ状態にあったのでは?とかいろいろ考察できそうな気がしてきたので、量子測定と情報統計力学を勉強してから読み直してちゃんと考察するかも)

あと、長編でずっとパロディネタやられるとちょっと疲れる。もともとは連載作品なので一気に読むものではなかったかもしれない。

まあでも、今回はかなりエンタメに寄っていて読みやすかったし、たくさん笑わせてもらった。 『コード・ブッダ』そのものが経典でしたーってオチもよかった。