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冷たい方程式

ただ一人の乗員を目的地に届ける片道分の燃料しか積んでいない緊急発進艇に密航者がいたら、パイロットがすべきことはただ一つ ーーー船外遺棄だ! だがそれが美しい娘で、しかもたった一人の兄会いたさに密航したのだとしたら、あなたならどうする?

宇宙版トロッコ問題。ずっどうだうだやっておいて結局少女を殺すしかないというのはちょっと面白い。さすがになんか画期的な解決策があると思うじゃん。

にしてもこの宇宙船、余裕なさ過ぎだろ…というのはさすがに野暮か。

相手が少女だからってあからさまに態度変えてるってのがちょっとなあと思った。相手がおっさんでも事情を聞いてやれよ。

そもそも、相手を認識する前に処理するのがセオリー、と虐殺器官にも書いてある。少なくとも自分が主人公ならそうする。

あからさまに情に訴えかける系はたいてい共感できないし、共感できないことに謎の罪悪感が生じるのでなんか苦手なんだよな…

ぶっちゃけ、家庭の事情をもった罪のない美少女を殺すしかないシチュエーションってよくそんな趣味の悪い物語を書くなあ、としか思えない。

さすがにこてこての古典だなあと感じる作品だったが、超シンプルな設定でジレンマもの?の原点を知れたというのは良かった。