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瑠璃の宝石

アニメを10話まで観て、あまりにも面白すぎたので原作を既刊7巻まで読んだ。面白すぎるので科学好きはみんな観るべき。

宝石好きの女子高生、谷川瑠璃が大学院生の荒戸凪に出会って鉱物学にのめり込んでいく物語。

作者が鉱物学を専攻していただけあって、しっかり科学的なアプローチを踏んでいくのがとても良い。

採集した小さな石の調査から山、地球と巨大なスケールにつながっていくロマン。 数万年の単位で動く石から見ると人間なんてちっぽけな存在でしかないというのは痺れる。

ただ、そこで人間を排除するのではなく、ちゃんと炭鉱の環境汚染や、海に捨てられたガラスから作られるシーグラスなど、人間の活動が石に関わってくるのも良いところ。 これにあくまで科学的な思考をする凪さんと、歴史から読み解こうとする伊万里さんという役割分担が発揮されていて面白い。

6巻からは古生物研との絡みが出てきてさらに面白くなる。たしかに鉱石採集で化石も取れることあるもんねー。

瑠璃や硝子の進路選択も物語のキーとして取り上げられるが、5巻の硝子のエピソードでは感極まって泣いてしまった。

みんな凪さんに出会って前向きに変化・成長していく。眩しすぎる…

今の精神状態で学部生に戻っていたら確実に宇宙地球科学専攻の研究室に行っていただろうな。 なんであのころは地学系にそこまで興味が持てなかったんだろう。不思議だ。

科学好きはみんな観てほしい(読んでほしい)作品だと思うが、特にアニメはかなり人を選ぶキャラデザになっていて複雑。 サイエンスものとして真面目に面白いんだけどなー。

ところで、Blueskyでは瑠璃の宝石の話をしている人がほとんどいなくて悲しい。 アニメやってるし公式図鑑がなかなか書店で買えない程度には流行ってるはずなんだけどな… 最近特に過疎を感じる。きびしい。