メインコンテンツへスキップ

タンジェント

4次元数学SF。高校生の時に読んだ、「四次元が見えるようになる本」を思い出す、というかその内容まんまだった。

これを読んで4次元が見えるようになったので、当たり前ことが書いてるな〜という感想。

話の筋としては、4次元からやってきた不思議な少年が、4次元の仲間に気付いてもらうために音楽を作成、仲間がやってきて4次元に連れ戻してくれる。その後、3次元世界で関わった人たちに「4次元はいいぞ」と勧誘してくる、というだけの話ではある。

タシーという人物、まちがいなくアラン・チューリングをモデルにしてると思われる。イギリスの数学者、同性愛、<エニグマ>…

4次元の物体が3次元世界の生物からどう見えるか?という描写が視覚的にわかりやすく表現されている。

高次元の数学ネタをうまくSFとして落とし込んでいて、古き良きSFだった。

“数学SF"としては円城塔やルーディ・ラッカーのSFだったり、イーガンのルミナス、暗黒整数だったりのほうがやっぱり現代的でおもしろい。数学はいいぞ。